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いちご

活字は苦手、本は読まない! という方でも聞いたことがある有名な作品「赤毛のアン」。翻訳者 村岡花子さんの半生を描いた朝ドラ『花子とアン』(NHK)の記憶も新しいのではないかと。今回は「いちご水」です。

赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫)
赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫) ルーシー・モード・モンゴメリ Lucy Maud Montgomery新潮社 2008-02-26
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舞台となるプリンスエドワード島の豊かな自然やナチュラルな生活の描写、登場人物たちの人間関係や濃い模様などすべてが瑞々しい物語なのですが、特に注目したいのがやはり登場してくるごちそうの数々。

  • 真っ赤なゼリーをはさんだ黄金の泡のようにふんわり軽く焼き上がったレヤーケーキ
  • ひな鳥のゼリー固めに、コールドタン
  • あぶなくねずみが沈んだソースをかけそうになった、プラムプディング
  • 新しい焼きたてのパンと、胃弱な牧師さまのための古いパン
  • お金持ちが毎日食べるであろう、チキンサラダ
  • 初めてのピクニックでの、夢のようなアイスクリーム・・・

そんな中でもおすすめは村岡さんの翻訳で、彼女の時代の言語や食べ物と照らし合わした表現がまた食いしん坊心をくすぐります。

やっぱり赤毛のアンの世界では「ベーキングパウダー」じゃなくて「ふくらし粉」って言われたいし、「ジンジャークッキー」より「しょうが入りビスケット」の方がぐっとくる。「マーブルケーキ」よりも「金銀ケーキ」のほうが、古い鉄製のストーブから取り出すにふさわしい名前じゃございません?

ブラウニー

さて、そんな翻訳だからこそのおいしい響きナンバーワンとして挙げたいのが「いちご水」。「ベリージュース」じゃない「ベリーウォーター」でもない、「いちご水」……。背伸びしたくてたまらぬ12、3歳の少女がお茶会の主人として、真っ赤な液体をいっちょまえの大人のように大好きな友達に振る舞う。そのなんともいえない誇らしい気持ちを含めて考えると、それはそれはおいしいんだろうな!! と想像も膨らみます。

でもアンがふるまった「いちご水」は、実は養母自慢のぶどう酒で。おいしい、おいしいと大きめのコッ プに並々3杯も飲み干した友人ダイアナは酔っぱらって帰るはめに。ダイアナの両親は、自慢の娘に酒を飲ませるなんて! と激怒し、交遊を禁止されちゃうんですけど……。

いちご水ってとても甘そうなのに、それと間違えてがぶがぶ飲み干せるほどにワインってそんなにおいしいのか、と子供心に好奇心をくすぐられました。この「ぶどう酒」っていう訳もたまらないですよね、「ワイン」ではなく「ぶどう酒」。

いちご
ところで、いちご水ってなんでしょう? なんぞやって思って、最初はいちごをつぶしたものを砂糖水に漬けたものを想像、いろいろ調べてみました。

正解はどうやら「いちご」ではなく「木苺」。ジャムと同じ材料だけど煮詰めてゲル化させず、水が多めの状態で仕上げた飲み物、という感じのようです。果たしておいしいか、ん〜わからん。

子供の頃、いちご水のくだりに憧れ赤ワインを試してみたことがあります。当時はがぶがぶ飲んだダイアナのようにはいかず、渋くてまずくて吐き出したものです。

だいぶとうのたった子供になった今、当時のふりして「いちご水ってこんな感じかな?」なんてグラスを傾けるようになりました。まあ悪くないです。わたしはダイアナのようにコップなみなみ3杯も飲み干しませんけどね!

ワイン

父とサイゼリヤにて

そうそう、赤毛のアンといえば、の名作映画でギルバート役を演じていた方が亡くなられてしまったとのこと。ご冥福をお祈りします。

http://www.cinematoday.jp/page/N0072568

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